もともと姓は、「かばね」と呼ばれ「屍(しかばね)」
からの由来といわれ、その意味は骨を一緒にする、
死んだ後お墓を同じにする血族という意味だそうです。
その姓が5世紀末頃までには、
制度としての氏族の位を
示すようになったといいます。
その時代の姓の由来は多様です。
現在では、日本人の姓は27万種以上あるといわれ、
世界でもトップクラスの種数を誇ります。
多くの場合、地名や職業を起源としており、
他にも「清原」などの天皇家からの分家が直接天皇から受け賜わった場合、
「蘇我」や「物部」など古来からの豪族が引き継いできた場合、
また他にも渡来人や神官・僧侶のもつ独自の姓などが挙げられます。
また例えば、「佐藤」「伊藤」「後藤」などの「藤」のつく姓は
多くの場合、藤原氏一族を起源にもつといわれています。
藤原姓の元は、中臣鎌足が天智天皇から
授けられたことに始まるといわれていますが、
その子孫が全国各地で地名や官職に
「藤」の一字を加えたものということです。
伊勢の国から採って「伊藤」また肥後からは「後藤」いった具合です。
中臣鎌足の例のように、戦などでの功績から天皇や時代の
権力者から姓を受け賜わることも少なくなかったようです。
江戸時代には、「徳川禁令考」によって一時農民と町人に
姓を名乗ることを禁じられていました。
しかしそうはいっても、公的な場での姓の使用はなかったとみえますが、
私的な場では姓の使用はあったとみえます。
姓は、苗字(名字)や氏とも呼ばれ、
その下に続く名と合わせ日本国民すべてが有する個人を特定する、
また先祖から代々受け継がれてきた「家」を表すものということは
これまでみてきた通りです。明治時代に入り平成の現在まで、
姓は「氏」として戸籍に記載され管理されています。
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